レジオネラ属菌とは?のページで解説したとおり、レジオネラ属菌は広く自然界に存在し、特に36℃前後の温度を好みます。かといって、それ以上・以下の温度に弱いというわけではなく、20~50℃の範囲であれば問題なく生息・繁殖します。
人工施設の中でレジオネラ属菌が好むとされているのは、循環式浴槽水や給湯器の水、空調施設の冷却塔の水などの人工温水の中。レジオネラ属菌は人工温水中に生息するアメーバに寄生し、アメーバ1個体あたり1,000という大量の数で増殖していきます。
基本的な対策として、洗浄・消毒による水処理が挙げられます。その他、以下のような対策が推奨されています。
- 浴槽水をシャワーや打たせ湯などに使用しない
- 気泡ジェットなどのエアロゾルを発生させる器具の使用を避ける
- 塩素剤で消毒する場合は遊離残留塩素濃度0.2~0.4mg/Lを1日2時間以上保つ
- 浴槽の換水を定期的に行う
- 浴槽の全換水を行う際は塩素剤による洗浄・消毒後に浴槽の清掃をする
- ろ過器を設置している場合はろ過装置・配管を含めた洗浄・消毒を行う
- レジオネラ属菌の検査を定期的に実施する
レジオネラ属菌は60℃以上の高温下であれば数分で殺菌されますが、最近では省エネの気運の高まりとともに給湯温度を下げている場合が多く、レジオネラ属菌の検出の報告が多くなっています。
基本的には以下の項目に注意するとともに、特に循環式の給湯設備の場合には給湯温度に気をつける必要があります。
- 外部からのレジオネラ属菌の侵入を防止する
- 機器および配管内におけるスケール・スラッジ・藻類などの発生を防止する
- 残留塩素を確保する
- エアロゾルを発生する機器の使用を避ける
- レジオネラ属菌の検査を定期的に実施する
浴槽水と同様に、洗浄・消毒による水処理がもっとも重要な対策となります。
その他、以下のような対策が推奨されています。
- エリミネータ(気流中に含まれる液滴を取り除くための板)を強化する
- 外気取入口は自動車の排ガスなどの影響が出ない高所に設置し、風向なども考慮する
- 冷却塔からのエアロゾルが飛散するため、風向などを考慮し外気取入口・居室の窓などから10m以上離す
- 冷却塔を定期的に洗浄する
- 設備の定期点検を行う
- レジオネラ属菌の検査を定期的に実施する
以上のように、レジオネラ属菌が好む場所のレジオネラ対策に共通して言えるのは、レジオネラ属菌の定期的な検査です。
しかし、これは最低限の安全管理に過ぎません。
日ごろから利用者に安心して施設を利用していただくため、また、万が一レジオネラ属菌が大量発生してしまった場合に迅速に対応するためには、“日常的な管理”を継続する必要があります。
目に見えないものだからこそ、こまめに検査をすることが、本当の意味での「安全・安心」につながります。レジオネラ対策・施設の安全性向上をお考えの方は、ぜひ迅速・簡便なレジオネラ属菌簡易検査キットの導入をご検討ください。